大判例

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東京地方裁判所 昭和40年(ソ)34号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕本件訴訟引受申立の要旨は、相手方は、本件訴訟提起(昭和三九年五月二六日)の後である昭和三九年六月一三日右和解調書につき承継執行文の付与を受けたから、相手方に対して本件訴訟の引受を命ずる旨の裁判を求めるというのである。これに対し原決定は、訴訟の目的たる債務の承継があつた時期は相手方が承継執行文の付与を受けたときではなく、相手方が本件建物を譲受けたときであるとした上、その譲受時期も所有権取得登記を了した時期も、本件訴訟の提起前であつて、本件訴訟係属中になされたものではないから、抗告人の訴訟引受の申立は失当であるとして本件申立を却下したものである。

請求異議の訴においては、債務名義に債権者と表示されている者が、債務名義に表示された請求権を右訴提起前に他に譲渡したとしても、この譲受人において右債務名義に承継執行文の付与を受けていない間は、右譲渡人たる債務名義表示の債権者は、債務者に対し強制執行をなし得る余地が残されている。したがつて、債務者は、譲受人を被告として請求異議訴訟を提起し得るのは勿論、譲渡人たる債務名義表示の債権者に対しても請求異議訴訟を提起することができるから、債務者が、右のような訴提起前に債務名義表示の請求権を他に譲渡した債権者のみを被告として請求異議訴訟を提起し、その後右訴訟係属中に右請求権の譲受人が、当該債務名義について承継執行文の付与を受けた場合には、右債務者としては、譲渡人たる債務名義表示の債権者のみを被告として請求異議訴訟を維持するに値しなくなるばかりでなく、却つて、譲受人を右債権者の権利承継者としてその既存の訴訟に引き入れ、既存の訴訟状態をそのままに引きつがせて訴訟を追行し得ることとするのが相当である。かかる場合に債務者に譲受人に対する別訴を提起せよというのは、訴訟引受を認めた趣旨に反するものというべきである。(安藤覚 森川憲明 山口和男)

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